祝「トクサツガガガ」NHKドラマ化(観てね!)
「トクサツガガガ」というコミックスをご存じでしょうか。
ビッグコミックスピリッツで丹羽庭先生が描いているコミック。現在も絶賛連載中です。特撮オタクOLの複雑かつデリケートな葛藤を描いた作品です。
無理矢理一言に収めましたが、とてもそんなもんじゃ収まらず。
その「繊細かつデリケート」な箇所については三日三晩語っても語りきれません。
私にとってこのコミックスは他人事ではないのです。
そして、このたびNHKでドラマ化されることになってしまいました。
きた・・・ついにきてしまった、この日が・・・嬉しい、でも心配(世界の評価が)
あああ。。。仲村、がんばってくれえええええ
サイレント・マイノリティなワタクシだから
特撮とは、特殊撮影技術を使った空想的なドラマを指します。主に!変身ヒーローが登場する作品を指す場合が多いと思いますが、ゴジラなど怪獣映画ももちろん特撮です。
そして。私は、物心もつかない幼い頃からリカちゃん人形も、おままごとセットも、魔女っ子アニメにも無反応という女の子嗜好が皆無なかわりに、特撮に対しては異常に興奮するという、筋金入りの特撮オタクなのです。
いわば、生まれながらのマイノリティ属性。
もちろん、自覚も覚悟も、幼稚園に入る頃までには出来上がっていました。
「好きなことを好きと言ってはいけない」
周囲が凍り、なにも言わないけどオトナ達のとがめるような目。そして、同年齢の女の子からの軽蔑そのものの視線にはすでに気がついていました。
「仮面ライダーが好きって言うとハブられる」
だから口を閉ざし、耳を塞ぎ、目をつぶり
「表向きはぬいぐるみが好きってコトにしておこう」
と、決心したのです。私が一言「ライダーが好き」そう言うだけで、みんながこぞって「やめさせようとして」「ライダーを悪く言う」のです。
好きな人の悪口なんか、聞きたくもありません。ライダーを守るためには、口と目と耳、そして心を閉ざしているしかなかったのです。
何度か自分の嗜好を語ることもありましたが、いつも悲しいキモチになるので、やはり扉を厚くする以外に方法はないのだと思い知りました。
私はニコニコしながら「パンダちゃんが欲しいです」と言えばオトナが大喜びすることを学びました。
中学、高校になってからは原宿あたりを歩いていれば世界の平和は成り立つことを覚えました。
こうして特撮少女はどんどん嘘をつくことが上手になりました。
年期の入った猫かぶり。コミケで涙を流す
そんな私が成人式を過ぎた頃、サブカルチャー好きの友達に連れられて、生まれて初めてコミックマーケットへ参戦しました。
コミックマーケット、今では世界的支持を集め各国から参戦する人が増え続けているオタクの祭典です。
サブカルチャーだけでなく、コミック、芸能系、なんでもあります。
友達に連れられてウロウロするうちに、ほんの2,3サークルほど、見慣れたキャラクターを扱っているブースを発見しました。特撮のサークルさんでした。
《今はもっともっとありますよ!!!》
吸い込まれるようにそばに行き、気がつくとサークルの方とどっぷり話し込んでいました。生まれて初めて、自分と同じだけの熱量で同じモノを好きな人に出会えた瞬間でした。お互い、話しても話しても足りないほど。
帰り際に「イベントでもらったモノのお裾分け」と非売品の戦隊グッズなどをプレゼントしてくれました。そして
「なんで同じ学校に通っていなかったんだろう」
そう言ってお別れしました。帰りのバスでちょっと泣きました。
この世界に私と同じ趣味の人がいる、その人に会えることもある。世界は暖かい。
この日が私のエポックメイキングだったわけです・・・
ひるがえって今現在になりますが
今は各種特撮イベントが目白押しの素晴らしい時代となりました。 そして私はそれなりの経済力も身につけました。実は今も心はデリケート時代まっただ中ではありますが、人生は一度きり。推しに逢いたい一心でソロ参戦しています。夢のようです。戦隊レッドと握手し放題です。でも、実生活においては特撮オタクであることが人生のトップシークレットであることにはかわりはありません。
そして子供の頃からかぶっている猫も相当な化け猫に育ちました。
あの頃と違うことがあるとしたら、別ジャンルではあるけど「心に大事なモノをもった人」達がごくごく少数ではあるけど友達として存在してくれていることです。
それと、一緒にトクサツ映画の初日に一緒に観に行ってくれる相方がいることも感謝しかないです。相方は私の味方です。いつも。
で、そんな友達が、トクサツガガガの番宣を観たとたんにものすごい勢いで祝いの連絡をくれるのです。
「あんただよ、これアンタだから!」落ち着け、友よ。それに祝いについては
作者さんに言うてやってくれ!!
昨日はついに、友人の旦那様にまで
「ひなたさんだね、コレ(主人公)」と
わざわざLINEでご連絡をちょうだいする始末。
相方は「録画しろよ!録画!これ絶対観ような!」とノリノリです。
いま、私をとりまく世界はとても優しい色を加えています。
私にとって大事なことは全部トクサツが教えてくれてた。
仲村(主人公)、あなたはもうひとりの私です。
前置きが長くなりました。トクサグガガガ ついに放送開始です。
2019年1月18日NHK総合 午後10時スタート!!
みんな、観てくれよな!!
丹羽庭先生、NHKさん、ほんとにありがとう。