身体に記憶される「怖かった」を和らげるための手当をしたい
朝晩、寒くなりましたね。もう、木枯らしも吹きそうな勢いですね。
ここんとこ私と相方を悩ませているのが、末梢神経障害です。
しつこい癌に立ち向かう薬は、やっぱり粘り強い奴なのだった
末梢神経障害の具体的に言うと
- 手足の先の部分の痺れ
- 喉のしびれ
生活の中で困ってしまうことは
- 箸が使いにくい
- ペットボトルのフタが開けにくい
- リモコン操作が行いにくい
- 字が書きにくい
- ボタンの掛け外しがしにくい
重度の方は歩行困難になる方もおられるとか。相方はありがたいことに、そこまではいかなかったけど、ポロポロとものを落とすようになり、自分で自分にイライラしてしまう様子がありました。
抗癌剤による末梢神経障害
主治医の話によると、これはあきらかにシスプラチンによる末梢神経障害であろうということです。抗癌剤治療が進むにつれ目立ってきました。
好発時期は、月単位で進行し、半数の患者が症状に苦しむ。休薬してもしばらく症状が残存する。
末梢神経障害は投与する限り累積的に増悪し、投与終了後、半年、年単位で回復する。
つまり、すぐに副作用がでるわけじゃなくて、治療を始めてからジワジワと副作用である末梢神経障害が現れ始め、さらに抗癌剤のルーチンが重なるごとに強く感じるようになる(ここ大事)。そして、休薬しても症状は残る。回復には半年以上、年単位で改善させていくしかない。
まあ、覚悟の上で治療を受けていた訳ですが、あらためて大変な薬で立ち向かっているんだなと、思い知らされています。癌ってほんとに嫌な病気です。
相方はもう全ルーチン8回も投薬してるんだもんなあ・・・。しんどくて当たり前。
漢方薬抑えることが出来た副作用もあったんです!
相方が抗癌剤治療を開始してまもなくのことですが、主に精神的な面で日常生活に支障があるくらいつらい時期がありました。
私はこれだけ大変な目にあったのだから当然だと思っていたし、本人もそうだと思って、なんとか気分をコントロール出来るように苦心していたのですが、状況は悪くなるばかり。身体だけじゃなく精神面もおかしくなっちゃいそうな非常にヘビーな状況でした。
精神的なことだから、主治医に相談しても仕方ないかなと遠慮していたのですが、あまりに毎日、本人も私もつらかったので、相方に内緒で主治医と看護師さんに相談したんです。そしたら、「それは副作用でありえることなんです!」
飲んでみて欲しい漢方薬があると処方していただけたのが抑肝散という漢方薬。
これが、飲んだ途端に効いたんですよね・・・。
↓↓お薬飲み始めてからの相方の変化↓↓
こちらの記事には薬のコトは書いてなかったんですが、ちょうど飲み始めた途端に、こういう変化があり、現在に至るわけです。
なにをどうしていいかわかりにくく、さらに症状にも個人差がある、病気と言って良いのかわからないけど、とてもつらい!場合、漢方薬が得意な分野ではないかと思うようになりました。
末梢神経障害についても研究がすすんでた!
まだ確率された訳ではないのですが、富山大学にて漢方薬で相方が行ったゼロックス療法の副作用を漢方薬で予防するという研究がされているのだそうです。
牛車腎気丸,及び関連漢方方剤の抗癌薬誘発末梢神経 障害性疼痛への効果に関する研究
こちらの研究報告、難しいことばかり書いているんですが一生懸命解読中。
実際に牛車賢気丸、ブシ末などを処方された大腸癌の方のお話も聞いたことがあるので、大変興味深く今後の研究や臨床にも期待しています。
「怖いという気持」は体に記憶されているんじゃないだろうか
ひなたの超個人的な見解なのですが、怖いという気持ちや嫌だったことは身体に痛みとして記憶されてしまうんじゃないかと感じています。
と、いうのも。
相方は最近「しびれ、今日は感じないな。ぜんぜん平気」というようなことも口にするようになったからです。
まるでファントムペインみたいだ。と、相方は言います。
いろんなケースがあるので、相方のようにつかみどころのないケースばかりではないと思います。
私達にとっては、ずっと苦しい訳じゃないんだ・・・。このことはメッチャクチャ嬉しいことでした。
いつもいつも「痛い」ばかりじゃ心が折れてしまいます。恐怖ばかりが蓄積されて身体を病以上に蝕んでしまうのではないかと思います。
どこで見かけたのか忘れてしまったのですが、抗癌剤治療の副作用ケアには精神の安定や安心感が大きく関わるという記述がありました。
経験的な感想ですが、本当にそうだと思います。
人間が感じとるのは病原菌やウィルス、癌細胞からもたらされる苦痛だけではないです。病気になったことで奪われてしまう日常、そこから生まれる不安がその人を苦しめます。
少しでも安心を。ちょっとでも心地良い時間を。
治療も大事ですが、心地よさや安心を感じることができる「手当」も必要なんじゃないかなと思います。これは身近な人間が協力して一緒に時間を作っていくしかないように思えます。どんな処方箋も効かない、ものすごいベタで手ずくりなことですが。
もっともっと相方が「痛い」や「痺れ」を忘れる時間を増やせるように私は「手当上手」になりたいと、僭越ながら思います。