バランスのよい食事は病気リスクを下げる。心がけたい「食生活指針」
ちょっとびっくりする言葉を新聞の中からみつけました。
「日本人の場合、肥満より痩せた人に癌が多い」と専門家は指摘
日経新聞(2018.10.10)4面に掲載されている「がん社会を診る」というコラムより。
- 肉サカナ、乳製品も避ける完全菜食主義「ビーガン」が世界規模で増えている
- 日本でも女性中心に極端な菜食主義が増え、またそれに関する市場も拡大中
- 癌と診断された途端、肉食をやめる患者さんも多い
栄養不足の傾向があるという心配について書いてあるコラムでした。
私自身も太る事に大変警戒心を持っているので、菜食には良いイメージを持っています。しかし、このような極端な状況には専門家も警鐘を鳴らしています。
データからの結論によるとベジタリアンに癌が少ないわけでも長寿な訳でもないのだそうです。逆にビタミン不足に至る場合もあり、心臓病、脳卒中などのリスクを増やしてしまう可能性もあるとか。
どうやら痩せすぎにも太りすぎ同様に問題が隠れているようです。
偏った栄養の摂取の危険性。ビタミンでも過剰症を起こすケースがある。
栄養的に考えても、極端な栄養をとり続けることに疑問はあります。
例えば、健康のためにビタミンCを大量に摂取するという方法をあちこちで見かけます。そもそも極端なビタミン摂取を行ったところで、ビタミンCなど水溶性ビタミンであれば尿として排泄されます。
頑張ってたくさん取っても出て行ってしまうのです!
そればかりか脂溶性ビタミンの場合、体内に吸収されやすくまた、尿で排泄されることもないので過剰症を起こす恐れがあります。
ビタミンも、ほかの栄養素もお互い助け合いながら身体に作用します。なにかひとつを極端に摂取しても、使われることがないのです。
確かに沢山食べると効きそうとは思うのですが、すべての栄養素を「ほどよく」摂取することが肝心なのではないでしょうか。
国立がんセンターの大規模調査で報告された病気リスクを下げる食生活
ネットに過酷とも思えるような食事療法などが紹介されているのを見ると大変悲しくなります。病気の治療だけでも大変なのに「たのしみ」でもあるはずの食事にまで「がんばる」必要が本当にあるのでしょうか。
癌患者の家族の視点ですが、これ以上、自身の身体に鞭を打つようなマネはしてほしくないと感じます。
政府で公表している「食生活指針」でも乳製品を含めた様々な食物を取ることが勧められています。また、国立がんセンターで男女8万人を15年追跡調査した結果でも、この食生活指針に従った人ほど癌、心臓、血管などの病気リスクが低いという結果がでているそうです。
療養のためにも、予防のためにも、なにか「特別」なことをする前に、当たり前のことを見直してみる必要もあるのかもしれません。