ホーミタクヤセン、看護中の心細さを救ったメディスンマンの贈り物
主人の入院中には持ち歩いて、寝るときには枕元に置いて生活してた本があります。
ホーミタクヤセンという、絵本のように小さな本です。
サイズは13cm×13cm!とても小さいので持ち歩きに適してます。
ホーミタクヤセン。「全ては繋がっている」という意味の言葉
ネイティブ・アメリカンに伝わる癒しの言葉がこの本には収められています。メディスンマンという精神的なリーダーがネイティブアメリカンの部族には存在し、古代から受け継がれてきた伝統療法を実践し、人を護りつづけてきたと・・・まるで、ファンタジーの世界のようで心惹かれました。
病を早く癒すとされてアメリカの病院の臨床でも使われ始めているとのことです。
まるで小さな子供に言い聞かせるかのような優しい言葉の花束
主人の入院中、手術の間中ずっと祈りの言葉の代わりにこの本の言葉を唱えてました。
冷静さを貰ってました。本を通して司祭者メディスンマンが言葉をかけてくれてるみたいでした。力ある言葉は活字であっても体の芯にまで届きます。
全ての命が繋がっているのならば、まず自分を癒せば大事なヒトにも届く。
この本を手にしてから私は信じています。
癒しの呪文があるわけじゃない。ただ自分の身体に感謝する。
「インディアンの癒しの言葉」とサブタイトルには記載してあります。
そのため、病を治したまえ!健康を取り戻させたまえ!とでも言うような、呪文を期待してしまうと、かなり違います。この本には魔法の呪文はありません。
すべて、ありきたりの普通の言葉です。
自分にありがとうを伝える。意外と難しい。
「ありがとうと言ってあげましょう」「呼吸をしてゆっくりやすみましょう」とただ、ひたすら自分の身体にむかって感謝とねぎらいを伝える。
そもそもこの文章は、メディスンマンが唱えて、側に居る人達を癒す言葉なので、誰かと一緒に行うことが出来る方がいいかもしれません。子供に読み聞かせをするように。
とはいえ、私自身も読むときはひとりでした。
だから、じっくりと時間をかけて毎回読みました。1行読んで自分の頭を確認し、また1行読んで自分の首にお礼を言う。自分の身体の全てのパーツに一言ずつ日頃、使ってばかりいて申し訳ないね、ありがとう、ありがとうと点検をしながらお礼を言うイメージです。
災いを追い出す、病に打ち勝つという意識はまるでない祈りの言葉
「災いよ、消えよ!」「疫病よ、消滅せよ!」という類の癒しの呪文を予想すると大きく裏切られます。(自分はそれを期待していた)
自分の大切な身体を、褒めて、感謝して、休むことをすすめてあげる。目の前に苦しんでいる人がいたら「休みなさいよ」と言うのと同じ事を自分にする「儀式」です。
メディスンマンから言わせるとそもそも「病」などは不自然なことであり、自然であれば苦しむこともないそうなので、追い払うことよりも自分の身体を称えて「本来の状態に戻せば癒える」という感覚のようです。
おおらかなネイティブアメリカンに学ぶ、自分にとっての自然なスタイル
そもそもネイティブの方達は
つねに客人は
疲れ、
腹をすかせていると考え、
そのつもりで
もてなせ
(ナバホ族の格言)
という、考え方があるので、たとえ病であっても「出て行け」とは言わないで、全てを大きく手を広げて迎え入れてしまうのかもしれません。
ただ自分が自然にありさえすれば、不自然なことは去っていくだろう
癌に振り回された時に素直な言葉の数々は心に染みました。