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癌治療の進歩に日本人が貢献、京大の本庶佑先生ノーベル医学生理学賞

ラグの上に本とコーヒー

テレビの速報を見て相方とふたり、思わず「やった」と声上げてしまいました。

ノーベル医学生理学賞に京都大高等研究院特別教授の本庶佑先生(76)が決まったそうです。おめでとうございます!!

本庶佑先生は、ひなたが「かっこいい病理学者」として大注目している、仲野徹先生のお師匠にあたる先生であるのでお名前とPD-1については著作で拝見してました。

仲野先生については、こちらをどうぞご覧下さい

 

www.mizutamado.net

 

癌治療に大きな前進となった抗体医薬オプジーボ開発の元となったPD-1

 

本庶先生はこれから連日テレビにご登場されると思いますが、その前にほんのさわりだけPD-1についてご紹介します。

 

PD-1はどういう分子なのか

PD-1はT細胞のアポトーシス(細胞の自然死)に関係する分子として、日本人の研究者がクローンをつくり、研究が行われるようになりました。

PD-1遺伝子を破壊されたマウスは自己免疫免疫疾患を発病するので免疫反応を阻害するものであることがわかっていました。

 

 癌の増殖とPD-1

体内に癌細胞ができると、まず免疫細胞が攻撃を開始→免疫細胞は攻撃を止めるブレーキを持っている→癌細胞が免疫細胞のブレーキを押して攻撃をストップさせる→免疫細胞から攻撃をされなくなった癌細胞は増殖していく。

癌細胞が「狡猾」だと仲野先生がおっしゃるのはこういうところだと思います。

 

このブレーキボタンの1つがPD-1。癌への攻撃ブレーキを無効化することで、免疫細胞は癌細胞の攻撃を続けることができ、結果癌を倒すことができるという訳です。

癌細胞を免疫により退治する研究はなされていましたが、いずれも攻撃のアクセルを踏んで免疫細胞を活性化させる考え方で研究がされていました。本庶先生はブレーキを取っちゃえ!と発想を転換した研究をされた訳です。

 

免疫チェックポイント阻害剤、オプジーボ(一般名ニボルマブ)とは

PD-1が元となって作られたオプジーボですが、副作用も少なく済む、癌を完全に倒すことができるなど、夢のようなお薬です。

副作用が少ないということは抗癌剤治療中の我が家としては大変魅力的です。

しかし、問題点としては、どの患者さんになら効くのかがまだよく解らないという効果の問題、コストが非常にかかることがあります。

特に保険適用された2014年当初の価格は1階約130万円、年間3500万円でした。

(日経新聞土曜版より)

 

 免疫治療にのぞむ今後

癌の3大治療は手術、抗癌剤、放射線治療ですが、これに免疫治療が加わるとさらに治療の幅が広がると考えられます。現在、巷では免疫療法を謳った広告をよくみかけます。大変残念なことだと思います。エビデンスに基づいた標準治療として、誰もが安心して治療を受けられるようになることを願っています。

そしていろんな癌にも対応できるようになりますように・・・。

本庶先生、本当におめでとうございます。