【おすすめ本】関西のおもしろい先生が語る病理学からみた癌の話
生まれ変わったらなりたい職業、No.1が麻酔科医だったんだけど
この本読んでから病理の先生もめちゃくちゃカッコいいなと思いました。
怖いモノ見たさで「病理学講義」を読んでみた
著者の仲野徹先生は病理学の教授。
病院において病理の先生というのは、患者さんから採取した細胞からどんな病気か判断する先生のこと。直接患者さんを診ることはないそうですが、誰よりも深く患者さんの病気を探るお医者様です。
癌についていろんな角度で知っておきたいと思った時に
患者視点ではない癌の本であることに非常に興味を持ちました。
たくさんの癌について書かれた本があります。
治療のための本、緩和ケアの本、抗癌剤副作用の本、患者さんの体験談。
もっといろんな角度から癌という病気を見つめたいと思った時に「病理学」という言葉を知りました。
そういう自分自身ととても近い視点ではなくて癌を病として見つめた病理学の本の中で
私にもわかる言葉で書いてた本でした。
大阪 大学医学部の仲野徹先生が、読者をいかに笑わせるかに心を配り
病理について熱く語るという内容。関西の方はサービス精神旺盛だと思います。
しかも後半は癌の総論から各論まで詳しく執筆されてます。
時々、笑うべきとこを素通りしてしまい
仲野先生、ごめんね。今の渾身のアレだった?
みたいなとこもありましたが、そのおもしろさのおかげで
しっかり読み通すことが出来ました。
そもそも難しい話は笑った口に放り込めって言いますよね。
おもしろい病理の先生が語る、油断できない癌の話
やはり癌についていては、戦慄するような内容でした。はっきりとした数字でデータを示しながらの説明に、少しだけキモチが塞ぎました。
内容については
序章 病理学ってなに?
第2章 負けるな細胞たち
第3章 さらさらと流れよ血液
第4章 「病の皇帝」がん 総論編
第5章 「病の皇帝」がん 各論編
ね?皇帝あつかいですから。
人類はとんでもないもんを相手にしてるんだなと感じました。
仲野先生も生物学的現象を擬人化すべきではないと断りながらも
「憎たらしい」と記されています。
伝達物質とかを騙して、自分の為に栄養を運ばせたり、身体に無害だと嘘の情報を流したり。こんなヤツなんですよ、癌という細胞は。
私も癌の下りはやはり数字なども示しているので読むのがツライ箇所もありました。
なので、ご本人が癌だったり、ご家族が癌の場合は、あまり強くオススメできないです。(私は途中で引き返せなくなり読んでしまいました。それは単純に興味深くおもしろく書いてあるせいです)
とっつきやすいですが、学問として捉えているためなかなか硬派です。
2章くらいまででもいいので。興味を持ったらぜひ読んでみてください。
病の正体を知るのにとてもいい教科書だと思います。