胃の2/3切除。減退した夫の食欲を取りもどさせたのは豚の生姜焼き
お腹の中は、胃を切除して腸に接続した傷
お腹の外は、胸の下からおへその横までバッサリと開腹した傷。
外も中も傷だらけ。
だから食べるものはお粥と繊維も柔らかな優しさの塊のよーな野菜と、淡い味付け。
体のためにはそれしかないのですが、首から上は働き盛りの成人男子です。
物足りないだろなあ。
ご飯はいつもお皿に乗せた分の8割は食べてくれるようになりましたが、食べるのが怖いんだと主人はよく口にしました。
気持はやはり萎縮したままでした。
なんか、おもしろいとか、楽しいとか。
気の晴れることないかなと。
毎日毎日そればっかり考えてました。
ちょっとでも心がほぐれるような。
女子ならスィーツにいきますけどね!
彼は甘いものが病院での辛かった事の思い出の味になっちゃってたし。
後日、管理栄養士さんにお伺いしたところ、病院の食事は予算がタイトであることと、補助で供するおやつ類については、ぶっちゃけ甘味が1番問題が起きにくいので(みんなが食べられる、好き嫌いが少ない、カロリーになりやすいなど)甘いものが中心になるのだそうです。
お酒を飲んで気晴らしも出来ないんですよ
術後だもの。
アイディアは突然に降ってくるもんで。
テレビを観ていて、ノンアルコールビールのCMを見て思いつきました。
豚肉の赤味の多い切り身から、さらにキッチンバサミで脂部分をチョキチョキ切り取って。
フードマッシャーでグィングィンとペーストにして。生姜汁を混ぜてお団子に整形、片栗粉まぶして、茹でたら肉団子完成。(長ネギ入れません。みじん切りでも繊維が当たるから)
醤油、生姜汁、砂糖、だし汁に葛粉混ぜてアンを作ったら、先程の肉団子を和えて、少し煮詰めたら完成。仕上げに胡麻油をちょっとだけ。
できました。
味だけは生姜焼き!!!
柔らかくスープ煮したキャベツの千切りを添えて。
さあ!どーだ!
内容はバリバリの回復食だけど、味わいはちょっとだけ攻めに転じてみました!
おいしい。
俺、こーゆーの、食べたかったかも。
笑った。
よっっっっしゃあああ!!!!!!!
何ヶ月ぶりの勝利の快感!
おいしい、頂戴致しました〜〜!
まさかの、豚の生姜焼きが突破口となるとは。
多分、身体も慣れてきてたんだとは思いますが、この日を境に主人は少しずつご飯を楽しんでくれるような、雰囲気になってきたのでした。