檸檬。
LEMON、米津玄師さんの歌。
チラチラと耳にする歌詞が、私には恐ろしくて、実はフルで聴いたのが紅白歌合戦で初めてでした・・・。
死別を思わせるようで、
生き別れにも思えるし。
でも別離後の歌なんだろうし。
たまらなく、レフトアローン感があるし。
高村光太郎の檸檬哀歌も連想してしまうし。
かといって、けして「不吉」さを感じて避けていたんじゃないんです。
むしろ、他人事じゃなくて聞こえる私が、つい「癒やされて」しまいそうな歌だったから聞くのが怖かったんじゃないかと思います。
去年は、本当になりふりかまっていられなかったから。
ついうっかり、癒やされでもしてしまったら、もう動けなくなるんじゃないかと錯覚を起こしていたんじゃないかと、今になって思います。
平成の大ヒット曲の一つとして注目されて昨日もニュースで何度か聴きました。
ごく一部聴くだけで、キモチになにかしらのチカラが響いてくる感覚がしました。
あまりにも、自分の気持ちに添ってくれる。まるで曲のほうから形を変えてまで降りてきてくれるような。
この歌がたくさんの人に愛されているのは。
痛みを抱えた人がそれだけいるということだと。
何食わぬ顔をして、欠けた部分を手で覆い、大事に暮らす人が多いのだと。
そう思うと、尚、同じ歌で満たされたことに意味を感じました。
なかなか心のピースにはまるものなんて存在しないけど、そのピースがどこまでも届けられる「歌」という形で世界に「居る」ことは幸せなことだと思います。
こんなとこで叫んでも届かないだろうけど、米津玄師さーん、ありがとう。
ほんと、ほんと、ありがとう。