ストップした世界が教えてくれたこと
もう少しだけ、私のお話です。
義親の認知症がすすみ、主人は病をおしてがんばり、私はカラ元気にカラ元気を重ねて動き回っておりました。義親の存在は私達を追い立てる原動力だったわけです。
それが無くなってみると、動かなくなってバタリと倒れるのは道理というもんですね。
主人もしばらくは、呆然としていました。でも、やはり主人のほうがいち早く、状況に馴染み、言動も大きく変わっていきました。
生活の全てが「自分が主体」になっていったように思います。
もともと頼れる人ですが、もっと自分で決めて動くことが「たやすく」なったのだと思います。
それにひきかえ、私と来たら。
困難の最中のほうが、笑ったり喜んだりもあったというのに。
過ぎてしまった途端に、抜け殻です。
燃え尽きたようになったところで新型コロナウィルス感染防止のために強制セーブ。
世の中的になにもかもが止まりました。
そして、私はようやく、自分がどういう状態なのかを知ることができたんです。
コロナが蔓延してなかったら、普通の生活の中で私の回復はもっっと遅れていたんじゃないかと思います。
世界がストップしてくれたおかげで。
私はよーやく「これからはふたりだ」に、気がついて安心をすることができたのでした。