ずっといっしょに

胃癌サバイバーの旦那様をサポートするブログ

人間ドックの先生が何度も電話して伝えようとしてくれた、夫の病名

面会を終えて外に出てから電源を切っていたスマホに何度も何度も着信履歴があることに気がつきました。


先日受けた人間ドックからのお電話でした。

すーっと血の気が引く気持がしました。


リダイヤルすると院長先生にすぐ繋いで貰えました

白い建物のイメージ


「奥さん、電話で申し上げるのを申し訳ないと思っていますがお知らせします。

ご主人は癌です」


院長先生は、丁寧に生検の結果を説明し、いま、どうしているか?

入院はできているのか?と心配しておられました。

本来なら私達は診察の予約待ちをしている状態でした。

人間ドックでの検査の次の日にすでに入院できてるとは、お思いにならなかったでしょう。受け入れ先はあるのかと大変ご心配いただきました。


私も手短に現在に至るまでの報告と、現在の処置と検査状況などを知らせました。

院長先生はそれなら問題ないので入院先の指示に従って欲しいとおっしゃいました。


気持ちを強くおもちなさいと言ってくれた声を、私は生涯忘れないと思います。


何度も何度も、電話してくれたこと

水でいっぱいの胃の中を撮影してくださったこと

そのおかげで入院と処置がスムーズに進んだことへ御礼をお伝えして

電話を切りました。

 


雨降りの日でした。

もうすっかり日が落ち、真っ暗でした。

 


でも、不思議と絶望感は、その時は感じませんでした。

 


ただ、風邪じゃないぢゃん、バカヤローって思いました。

 


お水が飲めなかったのもご飯が食べられなかったのも、

癌細胞が広がってたせいだったね。

それなのに大丈夫だよ、まだ我慢できるよと私を励ましてくれてた。

 

 

人間って。

爆発しそうな感情に襲われると逆にスッ…と無色透明になってしまうんですね。

スマホをバッグに仕舞うと、ものすごく静かな気持で家に向かって歩き出しました

 


とりあえず、癌であることはわかった。

でも、ステージってやつがどれだけか、どういう治療方法があるのか

なんにもわからない。わからない以上、この件は私だけ知っておこう。

もし主人に話したら、検査結果が出る間、ずっと不安で過ごすことになるから。

 


私もけっこう大きい病気で手術し、お腹の中は改造人間です。

今も検査は欠かせない状態です。

だから、入院して消灯時間を過ぎてからの夜の時間がどういうものか

よーく、よーく、知ってます。

 


誰にも内緒。と、決めました。

 


人間ドックでの結果が今日届くなら、入院先の検査結果も2、3日中には出るでしょう。その時は一緒に治療方針も出るはず。

 


深呼吸してよーく考えました。

 


何度も電話して、入院先の心配をしてくれた人間ドックの先生。

主人を病院に連れて行く時に、都合よく家の前に現れたタクシー。

予約日じゃないのに受け入れてくれた病院。

一緒に怒ってくれた薬剤師の先生。

今現在手を尽くしてくれる主治医の先生方。

 


ちゃんとリレーが続いてる。

少しずつ、少しずつ、イイコトのリレーが始まって、それがちゃんと続いてる

 


本来ならば、主人はまだ入院できてないハズだったんだ。

外来予定はまだまだ先だった。

なのに今は処置してもらってる。

大量のお薬からも解放されてる。


だから。


よし。


明日はシマシマのパジャマ、持っていってあーげよ。

 


私はテクテク歩きながらそう思いました。

 

 

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